デュエル書いてみたりする。


「僕の先攻。ドロー」
そういって静かにディスクからカードを引き抜く。
「…モンスターをセットして、」
横向きのカードが現れる。立体映像とはすばらしいものだ。
「永続魔法、悪夢の蜃気楼発動」
続いて魔法カードが現れる。先ほどの地に伏せられたものではなく、
相手から見やすい直立で。当然自分からは裏しか見えない。
「悪夢の蜃気楼は相手スタンバイフェイズに手札が4枚になるようドローするカード。
 でも自分のスタンバイフェイズにその効果で引いたのと同じ枚数、
 手札からランダムに捨てなきゃならない。…捨てるつもりはないけどね」
永続魔法はフィールドから離れれば効果を失う。
自分のスタンバイフェイズが来る前にどうにかできれば、実に強力な手札補充になる。
もっとも、
「残り手札4枚、全部セットしてターンエンド」
手札がゼロならば、の話だが。
魔法・罠ゾーンを全て埋めるなど、普通しない。
全てまとめて吹っ飛ばされたら何も出来なくなるからだ。
(…こいつめ)
逆に言えば、そうならない自信があるということだ。
「俺のターン。ドロー!」
ディスクから1枚抜き去る。このタイミングで悪夢の蜃気楼をどうにかできるカードはない。
「スタンバイフェイズだ、4枚引きな」
「うん」
さて、どうやって処理してくるのやら…
「俺はサイバードラゴン特殊召喚する」
声と共に、効果音と共に、手も足もない、機竜が出現する。
サイバードラゴンは通常、生贄1体が必要なLv5のモンスターだが、
相手フィールドにモンスターが居り、自分フィールド上にモンスターが居ない場合、
手札から特殊召喚できるという強力なモンスターだ。
さらに融合体や、数多くのサポートカードも存在する。
間違いなくデッキのエースとして活躍できるモンスターだ。
ステータスの強弱判断の基準にもなるほどで、余裕があれば入れて損はないかと思う。
「さらにサイバーフェニックスを召喚」
サイバーフェニックスはサイバードラゴンや自身を含む機械族をサポートするモンスター。
このカードが表側表示である限り、機械族を対象に取る魔法・罠を無効に出来る。
つまり、相手からの不利になるような魔法・罠の効果を受けないということだ。
まぁ、自分の魔法・罠もだし、対象を取らない無差別破壊なんかは回避できないが。
(…多分、ドロー系のカードを大量に入れて、一撃必殺のコンボ完成を狙ってるんだろう…
 なら、あのモンスターはデッキのカードを減らし、目的のカードを引く確立を高めつつ戦線を維持できるリクルーター
 もしくは単純にドロー効果を持つモンスター。どちらにせよ守備力は高くない!)
「サイバーフェニックスで攻撃!」
ならば攻撃力の高いサイバードラゴンを残すべき、そう判断しての攻撃。
「リバースカード、」
(やっぱ攻撃反応型の罠もあるよな…ミラーフォースだったらどうしよ)
「4枚発動」
「!?」
さっき伏せたカード全部発動。普通、そんな状況はない。
あるとすれば。
(悪夢の蜃気楼…まさか…)
「ゴブリンのやりくり上手3枚、非常食」
「そんなのありかよ…」
ゴブリンのやりくり上手。墓地にある同名カードの数足す1枚ドローし、その後1枚をデッキの一番下に戻す罠。
非常食。発動時に自分の魔法・罠カードを墓地に送り、その枚数×1000ライフを回復する速攻魔法。
3枚とも墓地にあるときに効果を使えれば強力なドローカード。ゆえに効果適用前にチェーン発動したカードで
墓地へ送ればいい。3枚まとめて発動、墓地送りにしてしまえば4枚ドロー引く1枚デッキに戻すかける3で、
計9枚手札を増やせる。さらに非常食で墓地に送った分ライフも4000回復。初期の1,5倍である。
ちなみに非常食は自身を墓地に送ることが出来ないので、魔法・罠ゾーンが5つ、フィールド魔法も考えれば
6つしかないので、最大で5000までしか回復できない。しかもフィールド魔法は発動していないので、
非常食以外の魔法・罠全部墓地に送ったこおtになる。
そう、自分スタンバイフェイズ前に悪夢の蜃気楼を墓地に送ることにまんまと成功したわけだ。
(なんでこんな手札がそろうんだよ…せめてモンスターだけははずれでいて欲しい…)
攻撃を中断させる効果はないので、続行される。
裏守備モンスターの正体は…
「巨大ネズミ…破壊されない」
守備力1450。サイバーフェニックスは1200。
「反射ダメージ250…」
(リクルーターだよ…攻撃を続けるか?)
サイバードラゴンなら問題なく破壊できる。だが何を呼ばれるか…
(へっ、呼ばせてやろうじゃねぇの!それが俺だろうが!)
サイバードラゴンで攻撃!エヴォリューションバースト!」
ネズミじゃ竜にはかなうまい。不死鳥がかなわないのがどうかと思うが。
「…僕は素早いモモンガを特殊召喚する」
素早いモモンガ。戦闘で破壊されたとき、ライフを1000回復して、
さらにデッキの同名モンスターを好きなだけ召喚できるモンスター。攻撃力1000でわざと破壊されに行くのも楽、
さらに守備力は100と破壊してくださいと言っているようなものだ。
だがもう破壊されてもらうのは無理なため、おそらく特攻してくるだろう。大ダメージを与えたいところだ。
「俺はリバースカードを3枚セットしてターンエンド」
「僕のターン、ドロー」
手札を見つめる。
「リバースカードを3枚セットし」
(多いな…)
「無限の手札を発動」
名前の通り、手札の制限枚数をなくす永続魔法。よほどコンボパーツが多いのか、それとも。
「…まさかな」
最悪の状況を予想し、思わずつぶやく。
「素早いモモンガでサイバーフェニックスに攻撃」
「っと、亜空間物質転送装置発動。エンドフェイズまで除外するぜ」
これで攻撃力の高いサイバードラゴンに攻撃しなければならなくなったが。
「まぁいいや…」
「いいのかい…」
共に溜息混じりの声。
「攻撃」
「なら残り2枚も発動するぜ。リミッター解除、マジックキャプチャー。
 サイバードラゴンの攻撃力を2倍にし、さらにこのリミッター解除が墓地に行った後手札に回収」
「マジックキャプチャーの手札コスト」
「ああ、残り1枚だから自動的にこれに決定、ハウンドドラゴン」
残り手札ゼロだが実にうまく回っている。人のこといえないじゃないか。
「僕は3200ダメージ…だけど1000回復、さらに素早いモモンガ2体、守備表示」
どうやら数をそろえたかっただけらしい。攻撃できるモンスターが居ないのでバトルフェイズ終「で、
 ダメージを受けたときに」
(…ちょっと、まて)
「トラゴエディア召喚」
「ちょ」
手札の枚数だけ強化されるモンスターが出ましたよ。
さてこれでほんとにバトルフェイズ終了。
「2体の素早いモモンガを生贄に…」
(トラゴエディアは生贄2体…じょうだんじゃねぇ)
「トラゴエディア召喚」
手札枚数…8枚。
「トラゴエディアの攻撃力は4800。ターンエンド」
サイバーフェニックスが帰ってきたが、どうしろと。
リミッター解除の効果により、サイバードラゴンは破壊された。
サイバーフェニックス、リミッター解除、そして次のドローカード。
伏せてあるのは間違いなくドロー加速。どうやって逆転しろと。


禁止?制限?なにそれおいしいの方向でいきますんで。
じゃ。