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「エミルー!」
「わ!? …なぁに、マルタ」
「よんだだけー」
唐突に抱き付かれることにもすっかり慣れたエミル。
今では一緒になって笑いあい、
「…マルタ」
「なに?」
「よんだだけ」
「……♪」
こうして応えられるまでに成長した。
その雰囲気は見ているだけで幸せになれるというか、
うらやましくて殴り倒したくなるというか、
とにかくそういうものでった。
「ねぇエミル」
「うん?」
「…えと、その…」
やたらとアクティブなマルタにしては珍しい控えめな態度。
何かと思えば、
「お姫様抱っこ、して?」
上目遣い+困ったような笑い+普段よりもうつむきがちな顔=エミルの弱点属性。
人目を気にする羞恥心とやらが深刻なダメージを受けて麻痺してしまった。
「うん、いいよ」
あっさりと承諾して屈む。膝の裏に脚払をかけるように腕を回し、
立ち上がりながら一歩を踏み出し身を翻して背中を支える。
初めてにしては洗練された動きだ。多少かっこつけて無駄になってる部分があるような気もするが。
そのまま何の気なしに腕中のお姫様の顔をうかがう、が、
「「…あ…」」
同時に驚きの声をあげる。
体勢的に、どうしても、
「な、なんか思ったよりも顔が近いね…」
ということである。
すでに大ダメージを受けていたエミルだが、更なる追加攻撃によりオーバーキルされた。
上目遣い+困ったような笑い+うつむこうにもうつむけないことで隠しようのない頬の朱=?
・=快心の一撃が自制という名の急所にクリーンヒット!
言葉を解するのも億劫とばかりに額を重ねる。
疑問符を浮かべた顔で顔をあげたマルタは、しかしそれを口にする前に、
エミルのそれでさえぎられてしまった。
一体何をしているんだ俺は。
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「宝玉獣が入ったデッキ」と戦った。
あのさぁ、初手から闇創世神とか事故杉だろ。
一戦目…負け
二戦目…負け
三戦目…勝ち
三戦目の様子をば。
初期手札…闇王・シールドクラッシュ・闇の仮面・死デッキ・ステバ・ダムド
ステバ安定だろ、死デッキもセット。相手はアメジストキャット。
ダイレクト食らったよ、でも好都合!次のターンに反転召喚、死デッキ、闇の仮面リバースしてさらに死デッキ。
相手はアメジスト。死デッキ。さらにダイレクトが来る。
俺のターン、2体目のステバ反転(さっきセットしてた)さらに自爆特攻。ダムド召喚。
しばらくダムドのターン!
転生の予言で戻されて効果使えなくなってもかんけいねぇ!
アメジスト3体…だと…?
ダムドさようなら。ここでアックスドラゴニュート。俺の頼れる兄貴だぜ!
護封剣。しかしその間に着々と準備が整う。
兄貴・疫病狼・あとなんかでダイレクトアタック!
闇王?ああ、アメジストと相打ちにしたよ。